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繊細なマーケティング論① ~マーケットイン、プロダクトアウト~

 

マーケティングの考え方

はじめに

私は今は大手食品メーカーのマーケティング部門におりまして、せっかくなのでテクニック的な部分や大事に考えていることについて紹介していきたいと思います。メーカーのマーケティングを目指したい!なんて思っている方は是非参考にしてください。

 

メーカーのマーケティングのやり方は大きく分けて2種類

ものを作って売るのがメーカーですが、マーケティングの考え方には2種類あります。

それはマーケットインとプロダクトアウトです。

マーケットインとは市場を調査したうえで、顧客のニーズを掴みそれに合った商品の企画・開発を行うことで世に商品を提供していくという考え方です。

プロダクトアウトとは商品ありきの考え方で、商品からどんな人に求めてもらえるのかを調査し、そういった人に向けて商品を提供していくという考え方です。

この概念は対局的な考え方ではありますが、どちらも重要な概念になりますので覚えておいてもらえるといいでしょう。

 

マーケットインの例

マーケットインの考え方で身近な例を挙げるとしたら、高級なトースターでしょうか。一時期高級食パンブームになった際、高級食パンを家で食べるのに安いトースターで焼くのはちょっと・・・と思う方が増えたようで、そこに狙いを定めたメーカーが高級感があり、高級食パンを焼くのにもってこいなトースターを展開したところヒットしたということがあります。こういった顧客のニーズを掴んだ商品企画を行うことがマーケットインの考え方です。

 

プロダクトアウトの例

プロダクトアウトの商品は多々ありますが私の好きなプロダクトアウトの商品はウォークマンですかね。当時は音楽はCDで聴くもので持ち運ぶという概念がなかった時代に「音楽は持ち運べるもの」という新しい価値を提供したものになります。プロダクトアウトでは開発者がこれが出来たら世界は変わるという強い思いのもと生まれるものが多く、圧倒的なヒット商品はプロダクトアウトからしか生まれないという格言もあります。プロダクトアウトでは一つ成功すると大量生産を組んで生産コストを下げ、収益化の柱にされやすいというのも特徴です。

 

 

大企業ではどんな考え方が主流?

大手メーカーでの考え方はほぼプロダクトアウトの考え方でのマーケティングになっています。これは大企業ほどいえることなのですが、専用の工場を有して特定の商品を大量に生産するために構造の変化する新商品を嫌う傾向があります。当然ですが企業は同じ商品をたくさん作って売るほうが簡単なのでマーケティングの考え方は商品ありきでターゲットにアプローチをしていくほうに寄って行きます。ですがやはりモノありきだと新たな顧客層が取れないため一部マーケットインの考え方で商品開発を行っていたりしています。それがいわゆる新規事業部などと呼ばれる部署ですね。こういった新規事業部はマーケットインの考え方をしなければならないので大手メーカーでも両方の考えをもって商品開発に取り組んだりしています。

 

マーケットインとプロダクトアウトどっちが正しいの?

答えを言うと正解はないというのが正しい答えです。どちらの考えも重要な考えですし、両方のバランスをもつのがベストといえます。マーケットインの考え方は顧客ニーズに寄り添うものではありますが、いかんせん開発に時間がかかったり顧客の想像を超えるものが出来づらいという側面もあります。プロダクトアウトはものありきの考え方なので奇抜な商品でも安価に提供できるという強みがある一方で、求めている顧客はいませんでした・・・なんてこともよくあります。

 

まとめ

マーケティングの考え方の基本2つを簡単ですが紹介しました。

どちらの概念も重要でありますが、どちらの考えを重視にするかで商品企画の成功確率は変わってきますので知っておいてもらえれば幸いです。

マーケティングについては今後も紹介していきますのでお楽しみに!

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