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繊細なマーケティング論⑥ ~STP分析(セグメンテーション)~

はじめに

SWOT分析まで終わるといよいよ考えた戦略やアイデアをもとに行動していくことになります。そんなときまず行ってほしいのはSTP分析という分析です。分析をしたのにまた分析??と思われるかと思いますが、これまで行った分析はあくまで自分たちサイドの深堀であるのに対し、STP分析ではサービスや商品を受け取ってもらいたいお客様の深堀を行っていきます。商売はお客様あってのことなのでここもしっかり抑えていきたいですね。

 

STP分析とは?

STP分析とは、Segmentation(セグメンテーション:細分化)、Targeting(ターゲティング:狙いの集中)、Positioning(ポジショニング:自分の立ち位置確認)の3つを分析する手法です。この部分でしっかり競合となる商品やサービスを把握して強み弱みを整理したうえで、本当に商品やサービスを届けたい相手を定義します。よく事業で失敗がみられるのはここをあやふやにしたまま進めた結果によるものが多いです。もう一度言いますが「誰に商品やサービスを届けたいのか?」を忘れないようにしましょう。

 

S:セグメンテーションについて

セグメンテーションでは市場の細分化を行っていきます。世の中の市場を以下の4つの要素でだんだん区切って小さな塊にしていく作業です。

 

・行動:人々の経験・プロセス・ベネフィットなど

・心理:心情・悩み・購入動機など

・人口:人口動態・性別・年代別など

・地理:国別・県別・市町村別など

 

試しに日本の人口で区切った例になります。ざっくり日本の人口を1億2000万人としたときの男女別、年代(45歳以上)、行動(子供との居住)で区切ったセグメントです。

※図の数値はだいたいで記載しており、実際の数値とは異なりますので手法としての参考までにしてください。

人口例はわかりやすいのですが、例えば男女で分けると6000万人ずつに細分化されます。その中から45歳以上がだいたい60%いるとすると45歳以上男性は3600万人になります。そこから約3割が子供と同居しているとするとそこの人数は1200万人になります。

この手法がセグメンテーションです。今回細分化に使用した変数は人口、行動で区切っており必要に応じた切り口で細かく区切っていくことが大切です。

 

冷凍食品の例

前回までのSWOT分析では冷凍食品についてあげていたので同じように冷凍食品でセグメンテーションをしていきたいと思います。

 

事前調査により下記のことがわかっていたと仮定します。

※数値はデモ用の仮の数値で事実とは異なります。

・冷凍食品市場は全体で1兆2000億円

・購入者の8割は女性

・冷凍食品の購入目的としてお弁当目的が20%、ランチ・軽食目的が60%を占める

・冷凍食品を購入する女性は40~60代女性が全体の2/3いる。

 

 

以下をまとめると下記のようになります。


ここでできればやっておいてほしいことが市場規模を可能な限りここで明確化していくということです。市場規模はその事業で目指すべき指標となります。例えば今回のセグメントの中で「ランチ・軽食目的で冷凍食品を購入する20~30代女性」をターゲットとした場合、目指せる市場規模の金額は1000億円が目安となります。こうすることで細分化したセグメントが狙いたい事業規模とあっているものなのか確認することができます。

新規市場の開拓でない限りは市場規模の金額は何らかの形で推計できますので抑えておきましょう。

 

まとめ

セグメンテーションについての手法について説明しました。セグメンテーションはターゲッティング、ポジショニングとセットで覚える手法になりますが、セグメンテーションの段階で市場規模も割り出す癖をつけておきましょう。一味違った分析になります。